- 劇団四季の「トップスター」って誰ですか?
- 劇団四季に今度行くから、どうせならトップスターが誰か知っておきたい
- 劇団四季の「作品至上主義」「カンパニー制度」って何なの?
私は劇団四季を初めて見に行く知人に、よくこんなことを聞かれます。
結論から書くと、劇団四季には宝塚歌劇団と違って「トップスター(トップ娘役)」はいません。
この記事では、劇団四季がなぜスター制度を採用していないのかを、劇団四季が掲げる「ある」理念を交えて、ミュージカル初心者の人でもわかりやすいように解説します。
Contents
劇団四季には「トップスター制度」がない 作品至上主義を貫く団体
宝塚歌劇団では、主役級の配役は全てトップスターが演じるという「スター制度」が採用されています。
しかし、劇団四季ではスター制度は採用されていません。
劇団四季がスター制度を採用しない理由を、上記3項目から紐解いていきます。
劇団四季は作品主義 トップスターに頼らない浅利慶太の理念
劇団四季を創立した故・浅利慶太氏は、どの役をどの俳優が演じても最高品質の作品を観客へ届けることを目標としていました。
そのため、劇団四季では俳優名でチケットを販売したり、トップスターというポジションは設けられていません。宝塚歌劇団とは決定的に違うポイントです。
かつての俳優のSNS禁止など、ファンとの親密な交流をよしとしない風潮は、徹底した作品至上主義の裏返しともいえます。
劇団四季は他のミュージカル公演とは違い、公演週の月曜日10時にならないと出演キャストが発表されません。これも劇団四季ならではといえます。
劇団四季は作品ごとにキャストオーディションを実施
ディズニー最新ミュージカル『アナと雪の女王』出演者オーディションが行われました - https://t.co/Vzsq02QxTM
— 劇団四季 (@shiki_jp) January 31, 2020
「トップスター」を作らない劇団四季では、キャスティング方法はすべてオーディションです。
公演作品によっては劇団所属俳優以外にも公開オーディションが行われるため、劇団内外から様々な人が受けに来ます。
トップスターではなく劇団四季から選抜された数名が主役候補へ
- 候補キャストがいつキャストデビューするかは、事前にアナウンスされない
- デビューを果たしても、評価によってはキャストからキャスト候補へ戻される
- 厳しいと判断された場合、キャスティング自体を外される場合も
劇団四季のオーディションを経て、初演時のキャスト1枠につき1~3名がキャスティングされます。
キャスティングされた俳優たちが、演目ごとに1つの「カンパニー」として稽古を繰り返して、実際に舞台に出てデビューになります。
しかし、練習の成果によってはキャスト候補から外されることもある、厳しい世界なのです。
テレビで紹介される「劇団四季のトップスター」という肩書は実は間違い
- 山口祐一郎さん
オペラ座の怪人(ファントム・ラウル)、ウエストサイド物語(トニー)、JCS(ジーザス)など - 濱田めぐみさん
美女と野獣(ベル)、アイーダ(アイーダ)、ライオンキング(ナラ)、ウィキッド(エルファバ)など - 石丸幹二さん
オペラ座の怪人(ファントム・ラウル)、美女と野獣(ビースト)、壁抜け男(デュティユル)など - 下村青(下村尊則)さん
JCS(ヘロデ王)、美女と野獣(ルミエール)、ライオンキング(スカー)など - 樋口麻美さん
ライオンキング(ナラ)、マンマ・ミーア!(ドナ、ソフィ)、ウィキッド(エルファバ)など
テレビや雑誌では、劇団四季を退団した俳優の肩書を「劇団四季の元トップスター」などと紹介されていることもありますが、厳密にいうと誤りです。
ただし、俳優さんによっては主役(準主役)などを多く演じた人もいるため、劇団四季に詳しくない人たちが分かりやすいように使っているのだと考えられます。
実際に、これまでも一人のキャストが複数演目で重要な役柄をつとめたケースは多くあります。上記で紹介した俳優さんたちは、その例です。
「トップスター」制度はないけれども…実際は俳優次第でチケットが動くことも
劇団四季にトップスター制度はなくても、ファンを見ると俳優で動く人たちが多いのも事実👗
— 政所ぴぴ@観劇blogger (@pipitan_pipipip) February 5, 2020
実際私も、贔屓にしている人が出演候補キャストになったら、チケットだけ先に確保しておき、様子見します🤠
作品はもちろんですが、キャストに人の心を動かす力は、確実に存在しますよね🥰#劇団四季
私が劇団四季は事前にキャストを知らせるシステムがないということを伝えると、必ずこのような質問をいただきます(笑)
もちろんすべての公演に贔屓のキャストがいるわけではありませんが、できるだけ見に行けるように心がけていることは、下記2点です。
自分のトップスターを見るために:劇団四季チケット先行予約は必ず参加
劇団四季のチケット販売開始日は、公演日の3か月~1年以上前です。この時点では当日キャストはもちろん、キャスティングすらされてないこともあります。
しかし、劇団四季ファンは「念のためチケットを予約しておく」というスタンスの人が多いように感じます。
「行けなくなった場合や俳優が出演しなかった場合はどうするの?」という声が聞こえそうですが、安心してください。
劇団四季には公式のリセール(譲渡)システムがあります。電子チケットで購入した場合、四季の会会員ならば毎月5枚までチケットを手数料無料で公式サイトで譲渡の呼びかけができるのです。
詳細は下記記事で説明しているため、興味がある人はぜひご覧ください。
自分のトップスターを見るために:前日・当日予約制度を利用する
チケットを事前に確保していない場合でも、直前で完売チケットを予約できる方法があります。それは、劇団四季の前日予約・当日予約制度です。
前日予約とは、何らかの事情があって売れ残ったチケットについて、公演日前日の14時からまとめて販売される制度のこと。「四季の会(劇団四季ファンクラブ)」会員限定のサービスです。
当日予約とは、販売日前日の19時から、前日予約で売り切れなかったチケットをネットで再販売する制度です。当日予約は、四季の会でなくても利用可能です。
最前列を含め、良席が紛れていることも多いため、直前で見に行きたくなった場合はこの制度を活用するとよいでしょう。
前日予約は一般の人が利用できないため、チケット購入時には劇団四季のファンクラブ(四季の会)会員のほうが優遇されます。
四季の会入会には年会費がかかりますが、最低1,100円から入会することも可能です。
年に数回劇団四季を見に行く人は、割引制度が充実した四季の会へ入会するほうがお得な場合もあるため、下記記事も併せてごらんください。
制度はなくても「自分だけの劇団四季トップスター」を見つけよう
- 劇団四季にトップスターはいない
- 劇団四季は「トップスター」に頼らず「作品」至上主義を採用している
- 自分だけのトップスターを見るために、先行販売や前日・当日予約を活用する
劇団四季の作品は、どのキャストが出演していても最高品質になっていることがわかりましたが、観劇時に出演しているキャストさんだからこそ心に響くこともあります。
私は「自分だけのトップスター」を探すのも、劇団四季観劇の醍醐味だと実感。
「忘れられない」「もう一度見てみたい」など心に残るキャストさんがいたら、次回はぜひ出演日を狙って観劇してみてくださいね。